月曜に備えて

噛みしめた結果です.

気が沈み、無気力な人に『未来のミライ』が効く

細田守作品が好きだ。

時をかける少女サマーウォーズ、おおかみこどもと雨と雪、バケモノの子...どれも複数回観たくなる。

あなたはどの作品が一番好きだろうか?

 

個人的にはおおかみこどもと雨と雪。

生物的なアイデンティティと社会的なアイデンティティのせめぎ合いが自分のことではないのに妙にリアルに感じられるので一番のお気に入りである。

 

そんな僕が未来のミライは見ないままになっていた。

もともと頻繁に映画館に足を運ぶ方でもないので、先に鑑賞者の評判を聞いてしまって見る気がどこかへ行ってしまっていた。

これまでの作品に比べるとえらい酷評だった。

 

公開から半年と少し経った一昨日、契約中のストリーミングサービスのラインナップに『未来のミライ』を見つけた。

ここで見なければ永遠に見ないと直感した僕は、再生ボタンを押したのだった。

 

実際に見ると、確かにこれまでの作品に比べて退屈さを感じる時間が多かった。

その原因の一つに、登場人物と描かれる場所が極端に少ないことが挙げられるように思う。登場人物は主人公くんちゃんとその家族+α、現実の場所もほとんどは家だ。

 

さらに主人公のくんちゃんである。

これという特徴のない子どもの上に、とにかくやかましい。

そして細田作品に必ず含まれる「不思議なこと」が今回は庭の木だが、その絡め方もこれまでの作品に比べて衝撃感が少なくは感じた。

 

ともあれたくさんのメッセージも読み取れる。

それらのメッセージを考えると、主人公は普通のやかましい駄々っ子のくんちゃん出ないといけないし、登場人物はくんちゃんの家族が基本でないとダメなのである。

 

 

いきなりクライマックスのセリフに対しての感想だが、個人的にはこのセリフが最大のメッセージであるように感じた。

自分の未来を大きく考えた時に、ときにはお先真っ暗な気がして項垂れる時もあるが、そんな暇があったら何かした方が100倍良い。

ほんの些細なことがいくつも積み重なって今(未来)の自分を形作るのだから。

 

文字で見るとあったりまえのことでも、気が病んでいる時はこういう当たり前の言葉が一番心に染みる。逆にいうと気が病んで引きこもっている時というのは当たり前のことを忘れてしまっている時でもある。

 

あとはだらっとした感想である。

 

総合して、やっぱり見てよかった。