田植えの時期。
田植え前に水を張ると、それ出番だ、とカエルが鳴き始める。
日が暮れて寝る頃までもずっと鳴いているその声は鬱陶しいものだった。
一人暮らしをした先は、大した都会でもないが水田は近くにない。
夜の騒音は車と騒ぐ人間の声。
音の大小が入り混じり、不定期に鳴る音は気を逆なでする。
久々に帰るGWの田舎の実家。
夜に鳴り響くカエルの鳴き声にどこか安心する。
一定のリズムで鳴くこの音が、自分の帰りを実感させてくれる。
鬱陶しいと感じていた自分を振り返る。
安らぎを感じる今の自分の方が何倍も気分が良さそうだ。